今野敏さんの『隠蔽捜査』シリーズは、刊行順に読めば時系列どおりになるので、迷ったら刊行順で読み進めれば問題ありません。本編は第1作『隠蔽捜査』から最新刊『分水―隠蔽捜査11―』まで11作。あいだにスピンオフの短編集が3冊(3.5『初陣』・5.5『自覚』・9.5『審議官』)挟まります。
この記事では、読む順番の一覧と、スピンオフをどの位置で読むか、最新刊の情報、Audible(オーディブル)で聴く場合の入り方をまとめました。シリーズ構成は新潮社の公式情報にもとづいています。
この記事の要点
- 刊行順=時系列。刊行された順に読めば迷わない
- 本編11作+スピンオフ短編集3冊(ナンバリングは3.5/5.5/9.5)
- スピンオフは数字の位置どおりに挟んで読むと人物の背景がつながる(あとから読んでも支障はない)
- 最新刊は『分水―隠蔽捜査11―』(2026年1月15日発売・新潮社)
- 第1作はAudibleでも聴ける。筆者は第1作を実際に聴いた(続巻の配信状況は後述)
隠蔽捜査シリーズの読む順番(一覧)
番号付きで並べます。太字が本編、(短編集)とあるのがスピンオフです。
- 隠蔽捜査
- 果断―隠蔽捜査2―
- 疑心―隠蔽捜査3―
- 初陣―隠蔽捜査3.5―(短編集)
- 転迷―隠蔽捜査4―
- 宰領―隠蔽捜査5―
- 自覚―隠蔽捜査5.5―(短編集)
- 去就―隠蔽捜査6―
- 棲月―隠蔽捜査7―
- 清明―隠蔽捜査8―
- 探花―隠蔽捜査9―
- 審議官―隠蔽捜査9.5―(短編集)
- 一夜―隠蔽捜査10―
- 分水―隠蔽捜査11―(最新刊)
※シリーズ構成・ナンバリングは新潮社の公式特設ページにもとづきます(2026年8月時点)。
刊行順=時系列なので迷わない
シリーズものでよくある「刊行順と時系列が違う」問題は、このシリーズにはありません。主人公・竜崎伸也の異動やキャリアの変化が巻を追って進んでいくので、刊行順に読むのがそのまま正解になります。
主人公は「原理原則」の警察官僚・竜崎伸也
主人公の竜崎伸也は警察庁キャリアの警察官僚です。物語の中で大森署署長から神奈川県警刑事部長へと立場が変わっていきます(出典:新潮社公式)。事件そのものより、組織の論理と原理原則がぶつかる場面がシリーズの読みどころで、巻を追うほど竜崎という人物の芯が見えてきます。
スピンオフ3冊はいつ読む?
『初陣』『自覚』『審議官』の3冊は、竜崎の盟友・伊丹俊太郎ら周辺人物を描く短編集です。ナンバリング(3.5/5.5/9.5)が読む位置の目安になっています。
| 短編集 | 位置 | 読み方の目安 |
|---|---|---|
| 初陣―隠蔽捜査3.5― | 『疑心』の後 | 本編の合間の一息に。人物の背景が厚くなる |
| 自覚―隠蔽捜査5.5― | 『宰領』の後 | 同上 |
| 審議官―隠蔽捜査9.5― | 『探花』の後 | 同上 |
結論としては、数字の位置どおりに挟むのがいちばん自然ですが、本編だけ先に走り切って、あとからまとめて読んでも支障はありません。短編集を飛ばしても本編の筋は追えるつくりになっています。
最新刊『分水―隠蔽捜査11―』
- 発売日:2026年1月15日(単行本・新潮社)
- ページ数:344ページ
- シリーズ累計:370万部突破(新潮社発表)
鎌倉署管内で起きた不審火が、週刊誌に追われる大物政治家の自宅だったことから、所轄の忖度と捜査のあり方が絡み合っていく話です。あらすじの詳細は出版社のページに譲りますが、「組織と原理原則」というシリーズの芯は最新刊でも変わっていません。
※文庫化は単行本から時間を置いて順次進みます。文庫の最新刊がどこまで出ているかは、購入前に新潮社の公式ページでご確認ください。
Audibleで聴く場合
第1作『隠蔽捜査』はAudible(オーディブル)で配信されており、ナレーターは藤井剛さん、聴き放題の対象です(2026年7月時点)。筆者はこの第1作を実際に聴きました。会議や報告の場面が多いシリーズなので、声で聴くと組織のやり取りの緊張感が立ちやすく、耳との相性は良いタイプです。
正直に書いておくと、筆者が聴いたのは第1作までです。続巻の配信状況・ナレーターはAudible内の検索で確認してください。聴き放題の対象は時期により変わります。
Audibleで聴ける警察小説は、こちらの記事でまとめて紹介しています。

隠蔽捜査シリーズのよくある質問
順番どおりに読まないとダメですか?
各巻の事件は一応それぞれ完結しますが、竜崎の異動や家族の変化が巻をまたいで進むため、刊行順に読むほうが確実に楽しめます。途中の巻から入ると、人物関係の前提を知らないまま読むことになります。
スピンオフは飛ばしてもいいですか?
飛ばしても本編の筋は追えます。ただ『初陣』『自覚』『審議官』は伊丹ら周辺人物の背景が描かれる短編集なので、挟んで読むと本編の見え方が厚くなります。位置はナンバリング(3.5/5.5/9.5)どおりが自然です。
最新刊はどれですか?
『分水―隠蔽捜査11―』です。2026年1月15日に新潮社から単行本で発売されました。シリーズは累計370万部を超えています(新潮社発表)。
どの巻がいちばん面白いですか?
シリーズの入口としては、やはり第1作『隠蔽捜査』です。第1作は吉川英治文学新人賞を、続く『果断』は山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞していて、序盤の2作だけでもシリーズの評価の高さが分かります。筆者も第1作から入りました。
Audibleで全巻聴けますか?
第1作『隠蔽捜査』は配信されており、聴き放題の対象です(2026年7月時点)。続巻の配信状況までは把握していないので、Audible内の検索で確認してください。配信や聴き放題の対象は時期により変わります。
まとめ
隠蔽捜査シリーズは刊行順=時系列。第1作『隠蔽捜査』から順に読み、スピンオフ3冊はナンバリングの位置(3.5/5.5/9.5)で挟むのが自然です。最新刊は『分水―隠蔽捜査11―』(2026年1月)。
今野敏の他のシリーズをどれから読むかは、こちらの記事で整理しています。公安ものの倉島警部補シリーズと、単発で読みやすい『確証』も紹介しています。


