今野敏さんの『隠蔽捜査』シリーズは、刊行順に読めば時系列どおりになるので、迷ったら刊行順で読み進めれば問題ありません。本編は第1作『隠蔽捜査』から最新刊『分水―隠蔽捜査11―』まで11作。あいだにスピンオフの短編集が3冊(3.5『初陣』・5.5『自覚』・9.5『審議官』)挟まり、全部で14冊です。
この記事では、読む順番の一覧と、スピンオフをどの位置で読むか、単行本と文庫それぞれの最新刊、ドラマ版の順番と続編、Audible(オーディブル)で聴く場合の入り方をまとめました。シリーズ構成は新潮社の公式情報にもとづいています。
この記事の要点
- 刊行順=時系列。刊行された順に読めば迷わない
- 本編11作+スピンオフ短編集3冊(ナンバリングは3.5/5.5/9.5)
- スピンオフは数字の位置どおりに挟んで読むと人物の背景がつながる(あとから読んでも支障はない)
- 最新刊は『分水―隠蔽捜査11―』(2026年1月15日発売・新潮社)。文庫の最新刊は『一夜―隠蔽捜査10―』(2026年8月28日発売・新潮文庫)
- ドラマはTBS版(2014年の連続ドラマ→2019年のスペシャル『去就』)の順に見る
- 第1作はAudibleでも聴ける。筆者は第1作を実際に聴いた(続巻の配信状況は後述)
隠蔽捜査シリーズの読む順番(一覧)
番号付きで並べます。太字が本編、(短編集)とあるのがスピンオフです。
- 隠蔽捜査
- 果断―隠蔽捜査2―
- 疑心―隠蔽捜査3―
- 初陣―隠蔽捜査3.5―(短編集)
- 転迷―隠蔽捜査4―
- 宰領―隠蔽捜査5―
- 自覚―隠蔽捜査5.5―(短編集)
- 去就―隠蔽捜査6―
- 棲月―隠蔽捜査7―
- 清明―隠蔽捜査8―
- 探花―隠蔽捜査9―
- 審議官―隠蔽捜査9.5―(短編集)
- 一夜―隠蔽捜査10―
- 分水―隠蔽捜査11―(最新刊)
※シリーズ構成・ナンバリングは新潮社の公式特設ページにもとづきます(2026年8月時点)。
刊行順=時系列なので迷わない
シリーズものでよくある「刊行順と時系列が違う」問題は、このシリーズにはありません。主人公・竜崎伸也の異動やキャリアの変化が巻を追って進んでいくので、刊行順に読むのがそのまま正解になります。
主人公は「原理原則」の警察官僚・竜崎伸也
主人公の竜崎伸也は警察庁キャリアの警察官僚です。物語の中で大森署署長から神奈川県警刑事部長へと立場が変わっていきます(出典:新潮社公式)。事件そのものより、組織の論理と原理原則がぶつかる場面がシリーズの読みどころで、巻を追うほど竜崎という人物の芯が見えてきます。
スピンオフ3冊はいつ読む?
『初陣』『自覚』『審議官』の3冊は、竜崎の盟友・伊丹俊太郎ら周辺人物を描く短編集です。ナンバリング(3.5/5.5/9.5)が読む位置の目安になっています。
| 短編集 | 位置 | 読み方の目安 |
|---|---|---|
| 初陣―隠蔽捜査3.5― | 『疑心』の後 | 本編の合間の一息に。人物の背景が厚くなる |
| 自覚―隠蔽捜査5.5― | 『宰領』の後 | 同上 |
| 審議官―隠蔽捜査9.5― | 『探花』の後 | 同上 |
結論としては、数字の位置どおりに挟むのがいちばん自然ですが、本編だけ先に走り切って、あとからまとめて読んでも支障はありません。短編集を飛ばしても本編の筋は追えるつくりになっています。
最新刊『分水―隠蔽捜査11―』
- 発売日:2026年1月15日(単行本・新潮社)
- ページ数:344ページ
- シリーズ累計:370万部突破(新潮社発表)
鎌倉署管内で起きた不審火が、週刊誌に追われる大物政治家の自宅だったことから、所轄の忖度と捜査のあり方が絡み合っていく話です。あらすじの詳細は出版社のページに譲りますが、「組織と原理原則」というシリーズの芯は最新刊でも変わっていません。
文庫の最新刊は『一夜―隠蔽捜査10―』(2026年8月28日発売)
単行本と文庫で「最新刊」が違うので、分けて書いておきます。文庫で揃えている人は、次に買うのが『一夜』です。
| 判型 | 最新刊 | 発売日・価格(税込) |
|---|---|---|
| 単行本 | 分水―隠蔽捜査11― | 2026年1月15日・1,980円 |
| 新潮文庫 | 一夜―隠蔽捜査10― | 2026年8月28日・825円 |
※『分水』・文庫版『一夜』の新潮社の書誌情報にもとづきます(2026年9月時点)。次作(隠蔽捜査12)の告知は、新潮社の特設ページにはまだ出ていません。
ドラマ版『隠蔽捜査』の順番と続編
隠蔽捜査はこれまでに2回ドラマ化されています。2時間ドラマとしてのテレビ朝日版と、連続ドラマとしてのTBS版で、TBS版にはのちに続編のスペシャルも作られました。
- テレビ朝日「土曜ワイド劇場」版(2007年・2008年/全2回):陣内孝則さん主演。原作は『隠蔽捜査』と『果断―隠蔽捜査2―』
- TBS「月曜ミステリーシアター」版(2014年1〜3月/全11話):杉本哲太さん(竜崎伸也)と古田新太さん(伊丹俊太郎)のダブル主演。原作は第1作『隠蔽捜査』から『宰領―隠蔽捜査5―』まで
- TBS版の続編スペシャル『今野敏サスペンス 隠蔽捜査〜去就〜』(2019年3月11日放送):同じ2人の主演で、原作は『去就―隠蔽捜査6―』
TBS版を見るなら、2014年の連続ドラマ → 2019年のスペシャル『去就』の順です。スペシャルの原作が本編6作目なので、ドラマの続きを小説で追うなら次は『棲月―隠蔽捜査7―』になります。なお、スピンオフ短編集『自覚―隠蔽捜査5.5―』は、ナンバリング上ちょうど連続ドラマの原作(1〜5作目)とスペシャルの原作(6作目)のあいだに入る1冊です。
※放送年・話数・キャストは放送当時の番組情報・報道にもとづきます。
Audibleで聴く場合
第1作『隠蔽捜査』はAudible(オーディブル)で配信されており、ナレーターは藤井剛さん、聴き放題の対象です(2026年7月時点)。筆者はこの第1作を実際に聴きました。会議や報告の場面が多いシリーズなので、声で聴くと組織のやり取りの緊張感が立ちやすく、耳との相性は良いタイプです。
正直に書いておくと、筆者が聴いたのは第1作までです。ただ、2026年9月から続巻の配信が順番に始まります。Audibleの作品ページに出ている配信日(2026年9月18日時点)は次のとおりで、ナレーターはどれも第1作と同じ藤井剛さんです。
| 巻 | タイトル | 配信日 | 再生時間 |
|---|---|---|---|
| 2 | 果断 | 2026年9月25日 | 8時間58分 |
| 3 | 疑心 | 2026年10月9日 | 9時間54分 |
| 3.5 | 初陣 | 2026年10月30日 | 7時間59分 |
| 4 | 転迷 | 2026年12月18日 | 10時間8分 |
| 5 | 宰領 | 2026年12月25日 | 9時間56分 |
| 5.5 | 自覚 | 2027年1月8日 | 7時間7分 |
配信日は予定なので、変わることがあります。聴き放題の対象になるかどうかも、配信されたらAudibleで確認してください。Audibleの無料体験は30日間なので、第1作を聴いてから続巻の配信日を待つ、という使い方もできます。
※30日間の無料体験あり・いつでも解約できます(2026年9月時点)
Audibleで聴ける警察小説は、こちらの記事でまとめて紹介しています。

隠蔽捜査シリーズのよくある質問
順番どおりに読まないとダメですか?
各巻の事件は一応それぞれ完結しますが、竜崎の異動や家族の変化が巻をまたいで進むため、刊行順に読むほうが確実に楽しめます。途中の巻から入ると、人物関係の前提を知らないまま読むことになります。
スピンオフは飛ばしてもいいですか?
飛ばしても本編の筋は追えます。ただ『初陣』『自覚』『審議官』は伊丹ら周辺人物の背景が描かれる短編集なので、挟んで読むと本編の見え方が厚くなります。位置はナンバリング(3.5/5.5/9.5)どおりが自然です。
最新刊はどれですか?
単行本の最新刊は『分水―隠蔽捜査11―』で、2026年1月15日に新潮社から発売されました。文庫の最新刊は『一夜―隠蔽捜査10―』(新潮文庫・2026年8月28日発売)です。シリーズは累計370万部を超えています(新潮社発表)。
隠蔽捜査シリーズは何巻まで出ていますか?
本編は『分水―隠蔽捜査11―』までの11巻です。スピンオフの短編集3冊(3.5『初陣』・5.5『自覚』・9.5『審議官』)を合わせると、全14冊になります(2026年9月時点)。
ドラマ版の隠蔽捜査に続編はありますか?
あります。2014年のTBS連続ドラマ(杉本哲太さん・古田新太さん主演)の続編として、2019年3月11日にスペシャルドラマ『今野敏サスペンス 隠蔽捜査〜去就〜』が放送されました。原作は『去就―隠蔽捜査6―』です。
どの巻がいちばん面白いですか?
シリーズの入口としては、やはり第1作『隠蔽捜査』です。第1作は吉川英治文学新人賞を、続く『果断』は山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞していて、序盤の2作だけでもシリーズの評価の高さが分かります。筆者も第1作から入りました。
Audibleで全巻聴けますか?
第1作『隠蔽捜査』は配信されていて、聴き放題の対象です(2026年7月時点)。続巻も、2巻『果断』(2026年9月25日)から5.5『自覚』(2027年1月8日)まで、順番に配信される予定です(2026年9月18日時点のAudibleの作品ページより)。6巻以降の予定は、Audibleの検索ではまだ出ていません。
まとめ
隠蔽捜査シリーズは刊行順=時系列。第1作『隠蔽捜査』から順に読み、スピンオフ3冊はナンバリングの位置(3.5/5.5/9.5)で挟むのが自然です。最新刊は『分水―隠蔽捜査11―』(2026年1月)。
今野敏の他のシリーズをどれから読むかは、こちらの記事で整理しています。公安ものの倉島警部補シリーズと、単発で読みやすい『確証』も紹介しています。



