中山七里の御子柴礼司シリーズは、少年時代に重大事件を起こした過去を持つ弁護士が主役のリーガルサスペンスです。巻を追うごとに御子柴の過去と人物像が明かされていくため、どこから読むかで印象がはっきり変わります。
この記事では、2026年8月に出た第7作『暗殺の交響曲』までを含めた刊行順と、実際に聴いた3作の体感をまとめます。
※シリーズを「全6作」として紹介している記事が多いのですが、2026年8月26日に第7作が出ています。
御子柴礼司シリーズの読む順番(全7作)
結論から書くと、刊行順に読むのが正解です。各巻の事件は独立していますが、御子柴の過去・事務所の人間関係・前巻の結末が次巻に持ち越されるため、順番を崩すと「本来あとで効くはずの情報」を先に知ってしまいます。
| 順番 | タイトル | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 『贖罪の奏鳴曲』 ソナタ | 単行本 2011年12月/文庫 2013年11月 |
| 2 | 『追憶の夜想曲』 ノクターン | 単行本 2013年11月/文庫 2016年3月 |
| 3 | 『恩讐の鎮魂曲』 レクイエム | 単行本 2016年3月/文庫 2018年4月 聴了 |
| 4 | 『悪徳の輪舞曲』 ロンド | 単行本 2018年3月/文庫 2019年11月 聴了 |
| 5 | 『復讐の協奏曲』 コンチェルト | 単行本 2020年11月/文庫 2023年2月 |
| 6 | 『殺戮の狂詩曲』 ラプソディ | 単行本 2023年3月/文庫 2026年4月 聴了 |
| 7 | 『暗殺の交響曲』 シンフォニー | 単行本 2026年8月/文庫 — |
タイトルがすべて音楽用語(奏鳴曲=ソナタ、夜想曲=ノクターン…)で統一されているのもこのシリーズの特徴です。刊行間隔が空く時期もあるので、「次はどれだったか」を見失いやすいシリーズでもあります。
各巻の位置づけ
内容には踏み込まず、シリーズの中でどう位置づくかだけ書きます。どこまで読んだか思い出したいときにも使ってください。
1. 『贖罪の奏鳴曲』(ソナタ)
シリーズの前提がここに全部ある。御子柴が何者で、なぜ「悪魔の弁護人」と呼ばれるのか。まずここから。
単行本 2011年12月/文庫 2013年11月
2. 『追憶の夜想曲』(ノクターン)
1作目で提示された御子柴の在り方を、別の事件で問い直す2作目。
単行本 2013年11月/文庫 2016年3月
3. 『恩讐の鎮魂曲』(レクイエム)
御子柴の過去に正面から踏み込む巻。1作目を読んでいるかどうかで重さが変わる。 【筆者は聴了】
単行本 2016年3月/文庫 2018年4月
4. 『悪徳の輪舞曲』(ロンド)
家族が絡む依頼。御子柴の私生活側に光が当たる。 【筆者は聴了】
単行本 2018年3月/文庫 2019年11月
5. 『復讐の協奏曲』(コンチェルト)
自身の事務所の関係者が事件に巻き込まれる。
単行本 2020年11月/文庫 2023年2月
6. 『殺戮の狂詩曲』(ラプソディ)
法廷ものとしての手応えが強い巻。責任能力が争点になる。 【筆者は聴了】
単行本 2023年3月/文庫 2026年4月
7. 『暗殺の交響曲』(シンフォニー)
2026年8月26日刊行の最新刊。筆者は未読。
単行本 2026年8月/文庫 —
最新刊は『暗殺の交響曲』(2026年8月26日)
シリーズ第7作。単行本は2026年8月26日に刊行されたばかりで、文庫版はまだ出ていません。
※筆者はまだ聴けていないため、この記事では内容には触れません。読み終えたら追記します。
どこから読むか|3作聴いた立場からの答え
筆者はAudibleで中山七里作品を28冊聴いていますが、御子柴礼司シリーズについては7作中3作(『恩讐の鎮魂曲』・『悪徳の輪舞曲』・『殺戮の狂詩曲』)を聴きました。残りは未読なので、以下は聴いた範囲での話として読んでください。
そのうえで言うと、『贖罪の奏鳴曲』から順にで問題ありません。筆者は途中から入ってしまい、3作目の『恩讐の鎮魂曲』で「これは1作目を知っていたほうが効いたな」と感じる場面がありました。御子柴の過去にまつわる説明は各巻で最低限は補われるものの、“補われる”のと“順番に明かされる”のとでは、受ける衝撃がまるで違います。
逆に言うと、1作目さえ押さえておけば、そのあとは多少前後しても崩れません。筆者自身、3作目・4作目・6作目という飛び石の聴き方をしましたが、各巻の事件そのものは問題なく追えました。「全部揃えてから」と身構えるより、まず1作目を1冊聴いてみるほうが現実的です。
音声で聴くなら法廷パートが効く
このシリーズは法廷での応酬が読みどころなので、音声との相性がかなり良いほうです。尋問のやり取りは地の文より会話で進むぶん、朗読だと話者の切り替わりがそのまま緊張感になります。通勤や家事の「ながら」で聴いていても、法廷に入った途端に手が止まる、という聴き方をしました。
一方で、法律用語や事件関係者の名前が一度に出てくる場面は、音声だと取りこぼしやすいのも正直なところです。筆者は聴き逃した箇所を15秒だけ戻す操作をよく使いました。この戻し方に慣れるかどうかで、法廷ものを音声で聴く快適さはかなり変わります。
ドラマ版について
御子柴礼司シリーズは、第1作『贖罪の奏鳴曲』が2度ドラマ化されています。
1度目は2015年1月24日から2月14日まで、WOWOWの「連続ドラマW」枠で放送されました。主演は三上博史です。
2度目は2019年12月7日から2020年1月25日まで、東海テレビ制作の「大人の土ドラ」枠で『悪魔の弁護人・御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲〜』として放送されました。主演は要潤、共演にベッキーが入っています。
※配信状況は時期によって変わるため、視聴前に各サービスで確認してください。
よくある質問
御子柴礼司シリーズは何作出ていますか?
2026年8月時点で7作です。第7作『暗殺の交響曲』が2026年8月26日に刊行されました。「全6作」と書かれた紹介記事もありますが、それは第7作より前の情報です。
順番通りに読まないとダメですか?
各巻の事件は独立しているので、途中から読んでも話は追えます。ただし御子柴の過去は巻を追って明かされる作りなので、刊行順に読んだほうが驚きは大きくなります。最低限、第1作だけは先に読んでおくことをおすすめします。
最初の1冊はどれがいいですか?
第1作の『贖罪の奏鳴曲』です。シリーズの前提になる情報がここに集まっているので、ここから入るのがいちばん無駄がありません。
文庫で揃えられますか?
第6作『殺戮の狂詩曲』までは文庫化されています(『殺戮の狂詩曲』の文庫は2026年4月)。第7作『暗殺の交響曲』は単行本のみです。
御子柴礼司は他のシリーズにも出てきますか?
中山七里はシリーズをまたいで人物を登場させる作家です。ただし御子柴礼司シリーズは単独で読み進められる作りなので、他シリーズを先に読んでいる必要はありません。
中山七里の他のシリーズも読むなら
中山七里はシリーズをまたいで同じ人物が登場する作家です。御子柴礼司シリーズ以外に、岬洋介シリーズ・刑事犬養隼人シリーズ・静おばあちゃんシリーズがあります。デビュー作から続く音楽ミステリが読みたいなら岬洋介シリーズが入口です。全体の見取り図と「最初の1冊」は別記事にまとめています。

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