中山七里の刑事犬養隼人シリーズは、警視庁捜査一課の犬養隼人が、臓器移植や安楽死といった答えの出ないテーマに踏み込んでいく社会派ミステリです。
全7作。この記事では刊行順の一覧と、短編集をどこで読むか、順番を崩すと損をする1組を整理します。
刑事犬養隼人シリーズの読む順番(全7作)
基本は刊行順です。事件そのものは各巻で完結しますが、犬養の家庭の事情(腎臓病を抱える娘)が巻をまたいで進むため、順番に読むほうが人物の変化を追えます。
| 順番 | タイトル | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 『切り裂きジャックの告白』 2014年12月 | シリーズの起点。臓器移植を扱う。ここから読むのが基本です。 聴了 |
| 2 | 『七色の毒』 2015年1月 | 7編を収めた短編集。長編の合間に挟むと犬養の人物像が補強されます。 |
| 3 | 『ハーメルンの誘拐魔』 2017年11月 | — |
| 4 | 『ドクター・デスの遺産』 2019年2月 | 安楽死を扱う長編。7作目『再臨』の前提になる巻です。 |
| 5 | 『カインの傲慢』 2022年6月 | — |
| 6 | 『ラスプーチンの庭』 2023年8月 | — |
| 7 | 『ドクター・デスの再臨』 2024年5月 | 最新刊。4作目『遺産』の続きにあたるので、先に4作目を。 |
★『ドクター・デス』の2冊は続けて読む
このシリーズで唯一、順番を崩すと損をするのがここです。7作目『ドクター・デスの再臨』は、4作目『ドクター・デスの遺産』で決着したはずの相手が戻ってくる話です。『遺産』を読まずに『再臨』から入ると、前提が丸ごと抜けます。
逆に言えば、ほかの巻は多少前後しても問題ありません。気になるテーマの巻から入って、面白ければ1作目に戻る、という読み方も成立します。
『七色の毒』は短編集
2作目『七色の毒』は、7編を収めた短編集です。長編を続けて読むと重いテーマが続くので、息継ぎとして刊行順どおり2番目に読むのが素直です。短い話のなかで犬養の仕事ぶりが見えるので、人物への理解も進みます。
どこから読むか|『切り裂きジャックの告白』から
迷ったら1作目の『切り裂きジャックの告白』です。シリーズの前提になる犬養の事情がここで提示されます。
正直に書いておくと、筆者がAudibleで聴いたのはこの1作だけです(中山七里の作品自体は28冊聴いています)。以下は「入口の1冊についての実感」として読んでください。
聴いてみて印象に残ったのは、この作者にしては派手などんでん返しに寄りかかっていないことでした。中山七里といえば終盤のひっくり返しが看板ですが、このシリーズは「どちらを選んでも誰かが傷つく」という状況そのものが重く、読後に残るのは驚きよりも居心地の悪さです。社会派と紹介される理由がよく分かりました。
その分、ながら聴きには少し向きません。議論の応酬が続く場面は、手を止めて聴いたほうが入ってきます。
映像化について
シリーズは3度映像化されています。
1作目『切り裂きジャックの告白』は、2015年にテレビ朝日系の「土曜ワイド劇場特別企画」としてドラマ化されました。
2作目『七色の毒』は、収録短編「白い原稿」が2016年にテレビ朝日系『土曜プライム』のスペシャルドラマになっています。
4作目『ドクター・デスの遺産』は、2020年11月13日に映画化されました。タイトルは『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』。監督は深川栄洋、犬養隼人を綾野剛が演じ、北川景子が共演しています。
※配信状況は時期によって変わるので、視聴前に各サービスで確認してください。
よくある質問
刑事犬養隼人シリーズは何作ありますか?
2026年8月時点で7作です。最新刊は2024年5月刊行の『ドクター・デスの再臨』です。
順番通りに読まないとダメですか?
事件は各巻で完結するので、途中から読んでも話は追えます。ただし『ドクター・デスの遺産』と『ドクター・デスの再臨』は続きものなので、この2冊だけは順番を守ってください。
短編集はどこで読めばいいですか?
『七色の毒』は刊行順どおり2番目で問題ありません。長編の重いテーマが続くなかで息継ぎになります。
御子柴礼司シリーズや岬洋介シリーズとつながりはありますか?
中山七里はシリーズをまたいで人物を登場させますが、刑事犬養隼人シリーズは単独で読み進められます。
中山七里の他のシリーズも読むなら
法廷ものが読みたいなら御子柴礼司シリーズの読む順番、音楽ミステリなら岬洋介シリーズの読む順番にまとめています。全体の見取り図は次の記事です。

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