中山七里の静おばあちゃんシリーズは、元裁判官の高遠寺静が、孫娘から聞いた話だけで事件の真相にたどり着くアームチェア・ディテクティブものです。要介護探偵シリーズと呼ばれることもあります。
全4作。ただしこの「4作」の数え方が少しややこしいので、まずそこから整理します。
静おばあちゃんシリーズの読む順番(全4作)
| 順番 | タイトル | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 『要介護探偵の事件簿』 2011年10月/探偵:香月玄太郎 | 文庫化のとき『さよならドビュッシー前奏曲』に改題されています。同じ本なので二重に買わないよう注意。岬洋介シリーズの番外編でもあります。 |
| 2 | 『静おばあちゃんにおまかせ』 2012年7月/探偵:高遠寺静 | 元裁判官の静が、孫娘から聞いた話だけで事件を解く連作短編集。ここが静の出発点です。 |
| 3 | 『静おばあちゃんと要介護探偵』 2018年11月/探偵:静+玄太郎 | 2人がついに顔を合わせる巻。1と2を読んでいると効きます。 |
| 4 | 『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』 2020年10月/探偵:静+玄太郎 | コンビものとしての完成形。介護・投資詐欺・外国人労働者などを扱います。 聴了 |
★1作目は改題されている。二重に買わないよう注意
シリーズの起点になる『要介護探偵の事件簿』(2011年10月)は、文庫化のときに『さよならドビュッシー前奏曲』へ改題されました。タイトルは違いますが同じ本です。書店やアプリで別々に並ぶため、気づかず両方買ってしまうことがあります。
さらにこの1冊は、岬洋介シリーズの番外編でもあります。中山七里の作品はシリーズの境界が重なっているので、「どのシリーズの何作目か」は数え方によって変わります。
★探偵は2人。別々に始まって、3作目で合流する
このシリーズがわかりにくいもうひとつの理由が、主役の探偵が2人いて、途中まで別行動だったことです。
1作目の主役は香月玄太郎。車椅子の元創業社長で、通称「要介護探偵」です。2作目の主役は高遠寺静。元裁判官で、こちらが「静おばあちゃん」。
この2人が顔を合わせるのが3作目『静おばあちゃんと要介護探偵』です。つまり1と2はそれぞれの紹介編、3で合流、4でコンビものとして完成という流れ。この構造を知っていると、1作目から読む意味がはっきりします。
どこから読むか|目的で変わります
コンビの掛け合いが目当てなら3作目からで問題ありません。事件そのものは各巻で完結しますし、2人の関係は3作目の中で説明されます。
ただし刊行順に読むほうが、3作目の顔合わせが効きます。別々に動いていた2人が並ぶ場面は、それぞれを先に知っているかどうかで印象が変わります。
もうひとつ実務的な話をすると、1作目は書店で見つけにくいです。改題されているうえ、タイトルに「静おばあちゃん」も「要介護探偵」も入っていない文庫版(『さよならドビュッシー前奏曲』)が流通しているためです。シリーズ名で探すと出てこないことがあるので、書名で直接探してください。
正直に書いておくと、筆者がAudibleで聴いたのは4作目の『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』だけです(中山七里の作品自体は28冊聴いています)。そのうえで言うと、4作目から入っても話は追えました。ただ「この2人はどういう経緯で組んでいるのか」が最後まで薄いまま残ったので、時間があるなら順番に読んだほうがいいとは思います。
よくある質問
静おばあちゃんシリーズは何作ありますか?
4作です。ただし1作目『要介護探偵の事件簿』は文庫化時に『さよならドビュッシー前奏曲』へ改題されているため、数え方によって3作と紹介されることもあります。
『さよならドビュッシー前奏曲』と『要介護探偵の事件簿』は別の本ですか?
同じ本です。文庫化にあたって改題されました。両方買う必要はありません。
要介護探偵シリーズと静おばあちゃんシリーズは違うものですか?
同じシリーズを指します。1作目の主役が要介護探偵(香月玄太郎)、2作目の主役が静おばあちゃん(高遠寺静)で、3作目から2人が組むためです。
途中から読んでも大丈夫ですか?
事件は各巻で完結するので追えます。ただし2人の探偵が合流する3作目は、1作目と2作目を読んでいるほうが効きます。
中山七里の他のシリーズも読むなら
中山七里はシリーズをまたいで人物を登場させる作家で、このシリーズはその性格がいちばん強く出ています。岬洋介シリーズ(音楽ミステリ)、御子柴礼司シリーズ(法廷)、刑事犬養隼人シリーズ(社会派)の読む順番もまとめています。全体の見取り図は次の記事です。

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