中山七里の岬洋介シリーズは、ピアニストの岬洋介が音楽にまつわる事件に関わっていくミステリです。
デビュー作『さよならドビュッシー』から始まり、2025年11月に出た最新刊『とどけチャイコフスキー』まで続いています。この記事では刊行順の一覧と、番外編をどこで読むかを整理します。
原作『さよならドビュッシー』は「このミステリーがすごい!」大賞の第8回受賞作で、デビュー作がそのままシリーズの起点になったという成り立ちです。
※「全9作」と紹介されることが多いのですが、版元は『とどけチャイコフスキー』をシリーズ10作目としています。番外編を数に含めるかどうかの違いです。
岬洋介シリーズの読む順番
刊行順に読むのがおすすめです。巻によって岬の高校時代や司法修習生時代にさかのぼるため、時系列は前後します。ただし刊行順に読むと、その「さかのぼり」自体が仕掛けとして効く作りになっています。
| 順番 | タイトル | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 『さよならドビュッシー』 | シリーズの起点であり、中山七里のデビュー作。まずここから。 聴了 |
| 2 | 『おやすみラフマニノフ』 | 同じ音大を舞台にした2作目。岬の立ち位置が見えてくる。 |
| 3 | 『いつまでもショパン』 | 舞台がポーランドへ移る。国際コンクールが背景。 |
| 4 | 『どこかでベートーヴェン』 | 岬の高校時代にさかのぼる巻。 |
| 5 | 『もういちどベートーヴェン』 | 岬が司法修習生だった時期を描く。 |
| 6 | 『合唱 岬洋介の帰還』 | タイトルの通り、岬が戻ってくる巻。 |
| 7 | 『おわかれはモーツァルト』 | — |
| 8 | 『いまこそガーシュウィン』 | — |
| 9 | 『とどけチャイコフスキー』 | 2025年11月7日刊行の最新刊。舞台はモスクワ。 |
| 番外編 | 『さよならドビュッシー前奏曲 要介護探偵の事件簿』 | 番外編。『さよならドビュッシー』の前日譚にあたるので、1作目のあとに読むと世界が広がります。先に読んでも支障はありません。 |
番外編はどこで読むか
『さよならドビュッシー前奏曲 要介護探偵の事件簿』は、『さよならドビュッシー』に出てくる要介護探偵こと香月玄太郎を主役にした番外編です。1作目を読んだあとに挟むと、同じ舞台を別の角度から見ることになります。本編を追うだけなら飛ばしても支障はありません。
最新刊は『とどけチャイコフスキー』(2025年11月7日)
舞台はモスクワ。音楽院で起きた事件を追いながら、岬自身のルーツにも触れる巻とされています。シリーズは累計190万部を超えました。
※筆者は未読のため、内容には触れません。
どこから読むか|『さよならドビュッシー』一択です
迷う余地はほとんどありません。『さよならドビュッシー』からです。中山七里のデビュー作でもあり、シリーズの起点でもあります。
正直に書いておくと、筆者がAudibleで聴いたのはこの1作だけです(中山七里の作品自体は28冊聴いています)。なので以下は「入口の1冊についての実感」として読んでください。
そのうえで言うと、この1作は音声で聴く価値がとくに高いと感じました。ピアノの演奏シーンが文章で細かく描写されるのですが、朗読で聴くと文字を目で追う手間がないぶん、演奏そのものに集中しているような感覚になります。Audible版のナレーターは呉羽藍依さんです。
逆に、譜面や専門用語が出てくる場面は音声だと流れていきやすいので、気になったところは少し戻して聴き直すのが向いています。
タイトルはすべて作曲家の名前
このシリーズの分かりやすい特徴が、タイトルにクラシックの作曲家名が入っていることです。ドビュッシー、ラフマニノフ、ショパン、ベートーヴェン、モーツァルト、ガーシュウィン、チャイコフスキー。『合唱 岬洋介の帰還』もベートーヴェンの第九を指しています。
作曲家の名前がそのまま巻の中身と結びついているので、「次はどれだったか」を思い出しやすいシリーズでもあります。刊行間隔が空いても、タイトルを見れば読んだかどうかの判断がつきます。
映像化について
第1作『さよならドビュッシー』は、2013年1月26日に映画化されています。監督は利重剛、主演は橋本愛。上映時間は131分です。
注目したいのは岬洋介を演じたのが現役ピアニストの清塚信也さんで、本作が俳優デビューだったこと。ピアニストが探偵役という設定を、実際のピアニストが演じています。
※配信状況は時期によって変わるので、視聴前に各サービスで確認してください。
よくある質問
岬洋介シリーズは何作ありますか?
本編は9作で、これに番外編1作を加えた数え方だと10作になります。版元は最新刊『とどけチャイコフスキー』をシリーズ10作目としています。「全9作」と書かれた紹介は、番外編を数に入れていないためです。
時系列順に読んだほうがいいですか?
刊行順で問題ありません。岬の過去にさかのぼる巻がありますが、刊行順に読むことでその構成が生きるようになっています。
『さよならドビュッシー』だけでも楽しめますか?
1作で完結しているので単体でも楽しめます。シリーズを追うかどうかは、読み終えてから決めて構いません。
御子柴礼司シリーズとつながりはありますか?
中山七里はシリーズをまたいで人物を登場させますが、岬洋介シリーズは単独で読み進められます。先に他のシリーズを読んでいる必要はありません。
中山七里の他のシリーズも読むなら
中山七里には岬洋介シリーズのほかに、御子柴礼司シリーズ・刑事犬養隼人シリーズ・静おばあちゃんシリーズがあります。悪徳弁護士が主役の法廷ものが気になるなら、御子柴礼司シリーズの読む順番にまとめました。全体の見取り図は次の記事にあります。

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