日本政府観光局(JNTO)によると、2024年の出国日本人数は約1,301万人です。これはコロナ禍前の2019年(約2,008万人)の約65%にあたります。渡航先で地図や翻訳、配車アプリを使うには、現地での通信手段が欠かせません。
結論から言うと、1〜2人旅ならeSIM、3人以上で常に一緒に動くならWiFiルーターが合理的です。
この記事では、eSIM・物理SIM・WiFiルーターの違いと選び方、どちらを選んでも役立つガジェット、モバイルバッテリーの機内ルール、eSIMの設定手順をまとめます。
海外旅行のSIMとWiFi、どっちを選ぶべきか

海外用SIMとは、渡航先の通信網につなぐためのSIMです。物理カード型と、端末に内蔵されたeSIM型があります。
eSIMとは、スマホ本体に組み込まれたSIMのことです。QRコードなどで通信プロファイルを読み込むだけで使えます。カードの差し替えは不要です。
モバイルWiFiルーターとは、現地の回線につながる小型端末です。スマホやPCは、このルーターにWiFiで接続します。
筆者の見解ははっきりしています。スマホ1台で旅をする人にとって、レンタルWiFiは「荷物と充電の手間が1つ増える選択肢」です。端末がeSIMに対応しているなら、まずeSIMを検討すべきです。
海外旅行のSIM・WiFiどっちがいいか比較表
| 項目 | eSIM | 物理SIM | WiFiルーター |
|---|---|---|---|
| 準備 | オンラインで購入・設定 | カードの受け取りと差し替え | 空港や宅配で受け取り |
| 荷物 | 増えない | 増えない(小さなカードのみ) | 本体と充電器が増える |
| バッテリー | スマホのみ | スマホのみ | ルーターの充電も必要 |
| 複数人での共有 | 1人1回線が基本 | 1人1回線が基本 | 複数人で共有できる |
| 返却 | 不要 | 不要 | 必要(紛失・破損リスクあり) |
| 日本の番号 | デュアルSIMなら残せる | 差し替えると使えない | そのまま使える |
海外旅行でSIMかWiFiかどっちか迷ったら:3つの質問で判定
次の3つの質問に順番に答えてください。
- スマホはeSIM対応で、SIMロックなしですか?
いいえ → WiFiルーター、または物理SIM対応の端末で物理SIMを選びます。 - 3人以上で、旅行中ずっと一緒に行動しますか?
はい → WiFiルーターを1台共有するのが効率的です。 - スマホ以外に、タブレットやノートPCも常時ネットにつなぎますか?
はい → WiFiルーターが便利です。eSIMのテザリングでも対応できますが、スマホの電池消費が増えます。
3つとも当てはまらなければ、eSIMが最適解です。
海外旅行のSIM派・WiFi派それぞれに必要なガジェット

eSIM派に必要なもの
- eSIM対応スマホ:iPhoneはXS・XR以降の多くの機種が対応しています。iPhoneなら「設定」>「一般」>「情報」に「EID」が表示されれば対応端末です。
- SIMロック解除済みの端末:2021年10月以降に国内キャリアが販売する端末は、原則SIMロックなしです。
- モバイルバッテリー:地図アプリやカメラを多用すると、電池の減りが早くなります。
WiFi派に必要なもの
- ルーター本体と充電ケーブル:返却時に付属品が欠けていると、追加料金がかかる場合があります。
- 大容量モバイルバッテリー:ルーターとスマホの両方を充電する必要があります。
どちらにも役立つガジェット
- 電子書籍リーダー:出発前に本をダウンロードしておけば、機内や電波の弱い場所でも読書できます。
- オフライン地図:Googleマップは地域を事前にダウンロードできます。通信が途切れても道に迷いにくくなります。
- 変換プラグ:国によってコンセントの形状が異なります。
モバイルバッテリーの機内ルール
- 預け入れは不可。機内持ち込みのみです。
- 100Wh以下が一般的に持ち込める目安です。
- 100Whを超え160Wh以下は、航空会社の承認が必要で、2個までとされるのが一般的です。
- 160Whを超えるものは持ち込めません。
- 計算式は「mAh × 電圧(V) ÷ 1,000 = Wh」です。20,000mAh(3.7V)なら約74Whです。
- 航空会社ごとに機内での使用ルールが異なるため、搭乗前に確認してください。
eSIMで海外旅行のSIM・WiFi問題を解決する設定手順

- 出発前にeSIMを購入し、自宅のWiFi環境でインストールします。現地でQRコードを読み込むには別の通信手段が必要になるためです。
- 現地に着いたら、eSIM回線をオンにし、そのeSIMのデータローミングを有効にします。
- 日本のメイン回線は、データローミングをオフにします。意図しない高額請求を防げます。
- 日本の番号は残しておきます。銀行アプリなどのSMS認証で役立ちます。
プラン選びで重視すべきはデータ容量です。動画やビデオ通話を使う人は、容量を気にせず使えるプランが安心です。たとえばHolaflyはデータ無制限プランを用意しています。渡航先別のプランは、海外eSIMのページから確認できます。
海外旅行のSIMとWiFiどっちに関するよくある質問
海外旅行ではSIMとWiFiどっちが安い?
1人旅ならeSIMが割安になりやすいです。複数人なら、WiFiルーターの料金を人数で割ると安くなる傾向があります。料金は渡航先と日数で変わるため、両方を比較してから決めましょう。
eSIMを使っても日本の電話番号は使える?
デュアルSIM対応の端末なら、日本の回線を残したままeSIMを使えます。ただし、海外での通話やSMS送信には、キャリアの国際ローミング料金がかかる場合があります。
WiFiルーターは飛行機に持ち込める?
ルーターはリチウムイオン電池を内蔵しています。預け入れ荷物ではなく、手荷物で持ち込むのが安全です。
スマホのSIMロックはどう確認する?
iPhoneは「設定」>「一般」>「情報」の「SIMロック」欄で確認できます。「SIMロックなし」と表示されれば、海外のSIMやeSIMを使えます。
まとめ
スマホがeSIM対応でSIMロックなしなら、1〜2人旅はeSIMが合理的です。3人以上でずっと一緒に動く、タブレットやノートPCも常時つなぐ、という場合はWiFiルーターを選びましょう。
どちらを選んでも、モバイルバッテリーは機内持ち込みのみです。eSIMは出発前に自宅のWiFi環境でインストールし、日本の回線のデータローミングをオフにしてから出かけてください。











