澤村伊智さんの「比嘉姉妹シリーズ」は、2026年10月時点で全10作です。読む順番は刊行順がおすすめで、最初の1冊は第1作の『ぼぎわんが、来る』(第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉・映画『来る』の原作)です。
1つだけ注意があります。Audibleの「第○弾」の番号は文庫の刊行順と同じ並びなので、『ししりばの家』(第4弾)と『ばくうどの悪夢』(第8弾)は、初版の刊行順より後ろの番号になっています。
この記事では、Audibleでシリーズの3作(『ぼぎわんが、来る』『ずうのめ人形』『などらきの首』)を聴いた運営者(ヒロキタナカ)が、全10作の刊行順と、どれから読むか、Audibleで聴く場合をまとめます。
比嘉姉妹シリーズの読む順番(刊行順・全10作)
比嘉姉妹シリーズは、初版の刊行順に読むのがおすすめです。長編が5作、短編集が4作、中篇集が1作で、どれも霊媒師の比嘉真琴、その姉の比嘉琴子、ライターの野崎昆といった共通の人物が出てきます。
| 作品(種類) | 初版の刊行 |
|---|---|
| 1. 『ぼぎわんが、来る』(長編) | 2015年10月(単行本) |
| 2. 『ずうのめ人形』(長編) | 2016年7月(単行本) |
| 3. 『ししりばの家』(長編) | 2017年6月(単行本) |
| 4. 『などらきの首』(短編集) | 2018年10月(文庫) |
| 5. 『ぜんしゅの跫』(短編集) | 2021年1月(文庫) |
| 6. 『ばくうどの悪夢』(長編) | 2022年11月(単行本) |
| 7. 『さえづちの眼』(中篇集) | 2023年3月(文庫) |
| 8. 『すみせごの贄』(短編集) | 2024年3月(文庫) |
| 9. 『ざんどぅまの影』(長編) | 2026年5月(単行本) |
| 10. 『ととはり屋敷』(短編集) | 2026年5月(文庫) |
刊行年月は初版(単行本。単行本が出ていない作品は文庫)です。KADOKAWAの書誌と国立国会図書館サーチで確認しました(2026年10月)。文庫はすべて角川ホラー文庫です。シリーズ累計は85万部(紙と電子、2026年5月時点・KADOKAWAのお知らせ)。
最新の2作『ざんどぅまの影』『ととはり屋敷』は前日譚
2026年5月に出た2作は、姉妹が活躍する時代より前の話です。長編『ざんどぅまの影』は1981年の神奈川が舞台で、姉妹の祖母・比嘉勝子を描きます。版元は「ビギニング」と紹介し、シリーズを読んでいない人にもすすめています。短編集『ととはり屋敷』は琴子が主人公の前日譚です。
前日譚から入る読み方もありますが、どちらも比嘉家の過去を描く話です。この記事では、1作目から刊行順に読み、前日譚は最後に読む順番をすすめます。
比嘉姉妹シリーズはどれから読む?最初の1冊は『ぼぎわんが、来る』
迷ったら、第1作の『ぼぎわんが、来る』から読んでください。理由は3つです。
- シリーズの第1作で、比嘉真琴・比嘉琴子・野崎昆が初めて出てくる
- 第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉を受けた、澤村伊智さんのデビュー作
- 物語の推進力が強く、ホラーが苦手でも「話が面白ければいける」人なら一気に読める(聴ける)
3つ目は私の実感です。ホラーそのものが初めてで、怖さの穏やかな作品から入りたい人には、比嘉姉妹シリーズではありませんが『営繕かるかや怪異譚』(小野不由美)をすすめています。比嘉姉妹シリーズを読むと決めているなら、入口は『ぼぎわんが、来る』です。
比嘉姉妹シリーズ全10作のあらすじ(ネタバレなし)
版元の内容紹介をもとに、各作品の入口だけを短くまとめました。結末や真相には触れていません。★は私がAudibleで聴いた作品です。
1. ★『ぼぎわんが、来る』(長編・2015年10月)
会社員の田原秀樹とその家族に、化け物「ぼぎわん」の気配が迫ってきます。秀樹が助けを求めるのが、霊媒師の比嘉真琴です。第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉を受けた、澤村伊智さんのデビュー作です。
2. ★『ずうのめ人形』(長編・2016年7月)
オカルト雑誌で働く藤間が、不審な死に方をしたライターの原稿を託されます。原稿に出てくる人形が、やがて現実にも姿を見せはじめる長編です。
3. 『ししりばの家』(長編・2017年6月)
果歩が、幼なじみの平岩の家で怪異に出会う長編。家の中が砂だらけになっている、という不気味な設定から始まります。
4. ★『などらきの首』(短編集・2018年10月)
シリーズ初の短編集。姉妹の美晴が通う学校の怪談を描いた「学校は死の匂い」(第72回日本推理作家協会賞 短編部門)や、野崎が「化け物の首が消えた」謎を追う表題作などを収めています。
5. 『ぜんしゅの跫』(短編集・2021年1月)
短編集の2冊目。琴子が目に見えない通り魔を追う表題作などを収めています。
6. 『ばくうどの悪夢』(長編・2022年11月)
悪夢の中で負った傷が、目覚めても体に残る少年が、野崎夫妻を頼る長編。夢には「比嘉琴子」と名乗る女が現れます。
7. 『さえづちの眼』(中篇集・2023年3月)
中篇3作を収めた1冊。表題作は、琴子が名家の失踪事件に関わる書き下ろしです。
8. 『すみせごの贄』(短編集・2024年3月)
短編集の3冊目。野崎の取材についていく中学生の話や、真琴に持ち込まれる相談の話などを収めています。
9. 『ざんどぅまの影』(長編・2026年5月)
1981年の神奈川が舞台。姉妹の祖母・比嘉勝子を、青年・篤の目から描く長編で、版元は「ビギニング」(始まりの物語)と紹介しています。
10. 『ととはり屋敷』(短編集・2026年5月)
琴子が主人公の短編集。比嘉家の弟妹たちが関わった怪異を描く、シリーズの前日譚です。
比嘉姉妹シリーズの主な登場人物
- 比嘉真琴:霊媒師。1作目『ぼぎわんが、来る』から登場
- 比嘉琴子:真琴の姉で、強い力を持つ霊能者。短編集『ととはり屋敷』では主人公
- 野崎昆:ライター。真琴とともに怪異に関わる。『ばくうどの悪夢』では「野崎夫妻」として出てくる
- 比嘉美晴:比嘉家の姉妹のひとり。「学校は死の匂い」(『などらきの首』収録)に登場
- 比嘉勝子:姉妹の祖母。『ざんどぅまの影』で描かれる
人物の説明は、KADOKAWAの各作品の内容紹介で確認できた範囲だけです。
Audibleでシリーズの3作を聴いた感想
私が聴いたのは、Audibleの第1弾から第3弾まで(『ぼぎわんが、来る』『ずうのめ人形』『などらきの首』)です。『ししりばの家』はまだ聴いていません。2026年10月時点で、第6弾の『さえづちの眼』を聴いているところです。
『ぼぎわんが、来る』
口承で伝わる得体の知れない“何か”が家族に迫ってくる、現代の和製ホラーです。正体の分からなさが声で押し寄せてくるので、後半の畳みかけは、耳で聴くと呼吸が浅くなりました。
『ずうのめ人形』
“読むと2日後に死ぬ”呪いの物語という、伝染していくタイプのホラーです。物語そのものが呪いという作りが、声で“聴かされる”ことでいっそう効いてきます。
『などらきの首』
シリーズ初の短編集です。収録作の「学校は死の匂い」は、第72回日本推理作家協会賞の短編部門を受けています(KADOKAWAのお知らせ)。
ほかのホラー小説も含めた、Audibleで聴いておすすめの作品はこちらにまとめています。
Audibleで聴く場合:「第○弾」の番号は文庫の刊行順と同じ並び
比嘉姉妹シリーズは、10作すべてにAudible版があります(うち3作は予約受付中)。作品名に付いている「第○弾」は文庫の刊行順と同じ並び(文庫が未刊の『ざんどぅまの影』は単行本の刊行順)で、初版の刊行順とは『ししりばの家』と『ばくうどの悪夢』の2作の位置が入れ替わります。その分、間にある作品の番号も1つずつずれます。
| Audibleの番号・作品 | 朗読・再生時間 |
|---|---|
| 第1弾『ぼぎわんが、来る』 | 安斉一博/9時間48分 |
| 第2弾『ずうのめ人形』 | 安斉一博/11時間18分 |
| 第3弾『などらきの首』 | 安斉一博/7時間48分 |
| 第4弾『ししりばの家』(初版は3作目) | 安斉一博/9時間24分 |
| 第5弾『ぜんしゅの跫』 | 籔根依泉/8時間3分 |
| 第6弾『さえづちの眼』 | 川上ひろみ/8時間34分 |
| 第7弾『すみせごの贄』 | 佐藤弘樹/8時間13分 |
| 第8弾『ばくうどの悪夢』(初版は6作目) | 安斉一博/2027年1月22日配信予定 |
| 第9弾『ざんどぅまの影』 | 安斉一博/2027年2月12日配信予定 |
| 第10弾『ととはり屋敷』 | 倉本夏海/2027年3月12日配信予定 |
朗読は第1弾から第4弾までと、第8弾・第9弾が安斉一博さん。ほかの4作は作品ごとに違う方が読んでいます。2026年10月24日時点で、Audibleの検索結果には10作とも「プレミアムプラン聴き放題対象」と表示されています。聴き放題の対象は時期によって変わるので、聴く前に作品ページで確認してください。
※30日間の無料体験あり・いつでも解約できます(2026年10月時点)
映画『来る』は『ぼぎわんが、来る』が原作
映画『来る』(2018年12月7日公開・東宝)は、シリーズ1作目の『ぼぎわんが、来る』が原作です。監督は中島哲也さんで、野崎を岡田准一さん、比嘉真琴を小松菜奈さん、比嘉琴子を松たか子さんが演じました。ほかの作品の映像化は、2026年10月時点で見つかりませんでした。
比嘉姉妹シリーズについてよくある質問
比嘉姉妹シリーズは何作ありますか?最新刊は?
2026年10月時点で全10作です(長編5・短編集4・中篇集1)。最新刊は2026年5月に出た長編『ざんどぅまの影』(単行本)と、短編集『ととはり屋敷』(角川ホラー文庫)です。
比嘉姉妹シリーズはどこから読んでもいいですか?
著者の公式な発言は見つかりませんでした。版元のKADOKAWAは、中篇集『さえづちの眼』を「どこから読んでも面白い」と紹介し、『ざんどぅまの影』をシリーズを読んでいない人にもすすめています。登場人物の関係を順に追うなら、1作目の『ぼぎわんが、来る』から刊行順に読むのがおすすめです。
Audibleの「第○弾」の順番で聴いてもいいですか?
聴いても大きな問題はありません。Audibleの番号は文庫の刊行順と同じ並びで、初版の刊行順と入れ替わるのは『ししりばの家』(初版は3作目、Audibleは第4弾)と『ばくうどの悪夢』(初版は6作目、Audibleは第8弾)の2作です。
映画『来る』の原作はどれですか?
シリーズ1作目の『ぼぎわんが、来る』です。映画は2018年12月7日公開で、監督は中島哲也さん。比嘉真琴を小松菜奈さん、比嘉琴子を松たか子さんが演じました。
比嘉姉妹シリーズはAudibleで聴けますか?
10作すべてにAudible版があります(うち3作は2027年1〜3月の配信予定で、予約受付中)。2026年10月24日時点で、Audibleの検索結果には10作とも「プレミアムプラン聴き放題対象」と表示されています。対象は変わることがあるので、聴く前に確認してください。
まとめ
比嘉姉妹シリーズは全10作(2026年10月時点)。読む順番は刊行順で、最初の1冊は『ぼぎわんが、来る』です。Audibleで聴くなら、「第○弾」の番号は文庫の刊行順と同じ並びで、『ししりばの家』と『ばくうどの悪夢』の位置だけが初版の刊行順と違う点に気をつけてください。










