伊坂幸太郎さんの「殺し屋シリーズ」は、2026年10月時点で全4作です。刊行順は『グラスホッパー』→『マリアビートル』→『AX アックス』→『777 トリプルセブン』。版元のKADOKAWAは「続編ではなく、独立した作品」と説明していて、どれから読んでも楽しめます。
迷ったら刊行順に『グラスホッパー』から。いちばん面白い1冊から入りたいなら『マリアビートル』からでも問題ありません。『777 トリプルセブン』は『マリアビートル』の数年後の話なので、『マリアビートル』のあとに読むのがおすすめです。
この記事では、Audibleで『グラスホッパー』と『マリアビートル』の2作を聴いた運営者(ヒロキタナカ)が、全4作の刊行順とネタバレなしのあらすじ、どれから読むか、Audibleで聴く場合をまとめます。
殺し屋シリーズの読む順番(刊行順・全4作)
| 作品(形式) | 単行本/文庫 |
|---|---|
| 1. 『グラスホッパー』(長編) | 2004年7月(角川書店)/角川文庫 2007年6月 |
| 2. 『マリアビートル』(長編) | 2010年9月(角川書店)/角川文庫 2013年9月 |
| 3. 『AX アックス』(連作集・全5篇) | 2017年7月(KADOKAWA)/角川文庫 2020年2月 |
| 4. 『777 トリプルセブン』(長編) | 2023年9月(KADOKAWA)/角川文庫 2026年6月 |
刊行年月はKADOKAWAの書誌と国立国会図書館サーチで確認しました(2026年10月)。シリーズ累計は380万部(2026年6月・カドブンの発表)です。
4作は続編ではなく「独立した作品」
KADOKAWAは、殺し屋シリーズの各作品を「関連するものの続編ではなく、独立した作品」と紹介しています。世界観や登場人物を共有していますが、前の作品を読んでいないと話が分からない、という作りではありません。3作目の『AX アックス』だけは長編ではなく、全5篇の連作集です。
殺し屋シリーズはどれから読む?
迷ったら刊行順に『グラスホッパー』から
シリーズの1作目で、殺し屋たちの世界に最初に入る作品です。刊行順に読めば、シリーズの広がり方をそのまま追えます。
いちばん面白い1冊から入るなら『マリアビートル』
私が聴いた2作のうち、いちばん面白かったのは『マリアビートル』です。『グラスホッパー』を先に読んでおく必要はなく、どちらから読んでもいいと感じました。
『777 トリプルセブン』は『マリアビートル』のあとに
『777』は『マリアビートル』から数年後の話で、運の悪い殺し屋・七尾がまた騒動に巻き込まれます。KADOKAWAも「『マリアビートル』では新幹線から降りられなかったが、今度は東京の超高級ホテルから出られない」と紹介しています。版元が順番を指定しているわけではありませんが、七尾の不運ぶりを先に知っておくと入りやすくなります。
殺し屋シリーズ全4作のあらすじ(ネタバレなし)
KADOKAWAの内容紹介をもとに、各作品の入口だけを短くまとめました。結末や真相には触れていません。★は私がAudibleで聴いた作品です。
1. ★『グラスホッパー』(長編・2004年)
妻を殺された元教師の鈴木は、仇の男が車に轢かれる瞬間を目撃し、「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしいと知って後を追います。同じころ、自殺専門の殺し屋・鯨と、ナイフ使いの蝉も押し屋を追いはじめ、3人の思惑が交差していきます。
2. ★『マリアビートル』(長編・2010年)
東京発盛岡行きの東北新幹線に、息子の仇を討とうとする元殺し屋の木村、優等生の顔をした中学生「王子」、二人組の殺し屋・蜜柑と檸檬、運の悪い殺し屋・七尾(通称「天道虫」)が乗り合わせます。狙う者と狙われる者が車内で入り乱れる、約2時間半の移動を描く長編です。
3. 『AX アックス』(連作集・全5篇・2017年)
超一流の殺し屋「兜」は、家では妻に頭が上がらない恐妻家。引退に必要なお金を稼ぐために、しかたなく仕事を続けています。裏の仕事を家族に隠したまま暮らす兜と、妻、一人息子の克巳の日々を描く、全5篇の連作集です。
4. 『777 トリプルセブン』(長編・2023年)
『マリアビートル』から数年後。ツキに見放された殺し屋・七尾は、高級ホテルの一室にプレゼントを届けるだけの「簡単かつ安全な仕事」を引き受けます。同じホテルには驚異的な記憶力をもつ女性・紙野結花が身を潜めていて、彼女を狙う裏稼業の人間が集まってきます。
『グラスホッパー』のあらすじと感想は、個別の記事にも書いています。
Audibleで2作を聴いた感想
私が聴いたのは『グラスホッパー』と『マリアビートル』の2作です。『AX アックス』と『777 トリプルセブン』はまだ聴いていません。
殺し屋たちの会話と個性がいい
シリーズを通していちばん良かったのは、殺し屋たちの会話と個性です。物騒な仕事をしている人物ばかりなのに、それぞれのキャラクターがはっきり立っていて、交わされる会話そのものが楽しめます。
『マリアビートル』は新幹線の中だけで進む舞台がいい
『マリアビートル』でとくに良かったのは、話が新幹線の中だけで進むところです。降りられない車内に、思惑の違う殺し屋たちが乗り合わせているので、閉じた舞台そのものが緊張感を生んでいます。
Audible版は19時間24分あり、シリーズでいちばん長い作品です。それでも、聴いていて長さは気になりませんでした。
朗読は2作とも原島梢さん
『グラスホッパー』と『マリアビートル』は、どちらも原島梢さんの朗読です。クセがなく、普通に聴けました。視点が切り替わる作りですが、聴いていて困ることはありませんでした。
Audibleで聴く場合:4作とも聴き放題(2026年10月時点)
| Audibleの番号・作品 | 朗読・再生時間 |
|---|---|
| 第1弾『グラスホッパー』 | 原島梢さん/10時間2分 |
| 第2弾『マリアビートル』 | 原島梢さん/19時間24分 |
| 第3弾『AX アックス』 | 織江珠生さん/10時間52分 |
| 第4弾『777 トリプルセブン』 | 織江珠生さん/10時間6分 |
Audibleの「第○弾」の番号は刊行順と同じです。2026年10月26日時点で、Audibleの検索結果には4作とも「プレミアムプラン聴き放題対象」と表示されています。聴き放題の対象は時期によって変わるので、聴く前に作品ページで確認してください。
※30日間の無料体験あり・いつでも解約できます(2026年10月時点)
映画になった2作|『グラスホッパー』と『ブレット・トレイン』
- 『グラスホッパー』:2015年11月7日公開。監督は瀧本智行さん。鈴木を生田斗真さん、鯨を浅野忠信さん、蝉を山田涼介さんが演じました
- 『ブレット・トレイン』:『マリアビートル』が原作のハリウッド映画。日本公開は2022年9月1日。監督はデヴィッド・リーチさん、主演はブラッド・ピットさん。公式サイトのあらすじでは、列車は東京発・終着が京都で、原作の東京発盛岡行きから舞台が変わっています
私はどちらの映画もまだ観ていないので、映画の出来についてはここでは書きません。
受賞・ランキング
- 『マリアビートル』:2014年 大学読書人大賞(KADOKAWAの紹介による)
- 『AX アックス』:2018年 本屋大賞 5位
- 『AX アックス』(文庫):2020年の年間ランキングで、オリコン・日販・TSUTAYAの文庫1位と、ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2020 文庫1位(KADOKAWAの発表)
殺し屋シリーズについてよくある質問
殺し屋シリーズは何作ありますか?最新刊は?
2026年10月時点で全4作です。最新作は2023年9月に単行本が出た『777 トリプルセブン』で、2026年6月に角川文庫になりました。5作目の発表は、2026年10月26日時点で見つかりませんでした。
どれから読んでも大丈夫ですか?
大丈夫です。版元のKADOKAWAは、各作品は関連しているものの続編ではなく、独立した作品だと説明しています。迷ったら刊行順に『グラスホッパー』から、いちばん面白い1冊から入りたいなら『マリアビートル』からがおすすめです。
『777 トリプルセブン』の前に読んでおくといい作品は?
『マリアビートル』です。『777』は『マリアビートル』から数年後の話で、同じ殺し屋の七尾(天道虫)がふたたび騒動に巻き込まれます。版元が読む順番を指定しているわけではありませんが、七尾の不運ぶりを先に知っておくと入りやすくなります。
映画『ブレット・トレイン』の原作はどれですか?
シリーズ2作目の『マリアビートル』です。映画は2022年9月1日に日本で公開され、監督はデヴィッド・リーチさん、主演はブラッド・ピットさん。公式サイトのあらすじでは、列車は東京発で終着が京都になっていて、原作の東京発盛岡行きの東北新幹線から舞台が変わっています。
殺し屋シリーズはAudibleで聴けますか?
4作ともAudible版があり、2026年10月26日時点で、Audibleの検索結果には4作とも「プレミアムプラン聴き放題対象」と表示されています。朗読は『グラスホッパー』『マリアビートル』が原島梢さん、『AX アックス』『777 トリプルセブン』が織江珠生さんです。
伊坂幸太郎のほかの作品
殺し屋シリーズ以外も含めた、伊坂幸太郎のおすすめは、タイプ別にこちらにまとめています。
まとめ
伊坂幸太郎の殺し屋シリーズは全4作(2026年10月時点)。刊行順は『グラスホッパー』→『マリアビートル』→『AX アックス』→『777 トリプルセブン』で、どれも独立した作品なのでどこから読んでも楽しめます。迷ったら『グラスホッパー』から、いちばん面白い1冊から入るなら『マリアビートル』から。『777』は『マリアビートル』のあとに読むのがおすすめです。









